まごころ歯科ブログ
咬合談話会実習
2017年03月20日
まごころ歯科クリニック院長の荻原真です。
先月に引き続き、咬合談話会の実習に参加してきました。
咬合談話会を主宰されている栗田先生はナソロジーを本格的に臨床に取り入れられている数少ない先生です。
全調整咬合器やパントグラフといった本格的な装置を用いた栗田先生の緻密な治療を学ぶ機会を得たことを大変うれしく思っております。
今回は咬みわせの要ともいうべき、『中心位』の測定方法等について詳しく教えて頂きました。
中心位とは簡単にいうと顎の運動の中心の位置です。
歯の咬みあわせの中心が、この中心位から大きずれてしまうと、顎が痛くなったり、肩こりや頭痛の原因となるといわれております。
中心位の重要性は昔から指摘されており、この中心位はどこにあるのか?という研究が数多くなされました。しかし、体内にある顎の関節の運動を直接目で見ることはできません。そのため、様々な仮説と検証がなされましたが、なかなか正しい結論は得られず、中心位の定義は時代とともに変化していきました。
現代では中心位は『下顎頭が下顎窩内の前上方にある位置』と定義されています。この位置のとき、筋肉のバランスがとれた状態になり、咬みあわせの安定が得られると考えられております。
中心位についてはいろいろな意見があり、専門書によっても内容がかなり違います。実のところ、歯科医学は咬みあわせについて、完全な理解には至っていないのが現状だと思います。
そのため、残念なことに、多くの歯科関係者は、咬み合わせについて無関心になってしまっております。
しかし、咬み合わせについて真摯に取り組み、理想的な咬合を突き詰めていくことは確かに有意義なことであり、大切なことです。
引き続き、咬みあわせについて研鑽を積んでいきたいと思います。
以下の記事も参考にして下さい。
フードセラピーのイベントに参加
2017年03月13日
こんにちは。まごころ歯科クリニック院長の荻原真です。3月12日(日)、フードセラピストまるもゆきこさんのイベントに参加してきました。
まるもさんは管理栄養士として日本咀嚼学会の役員としても活躍されており、ストレスの多い現代社会において、食と食空間を心豊かなものにするというアプローチで予防医療を実践していらっしゃいます。薬膳や自然医学の要素を取り入れた料理教室も主宰されているとのことです。
今回のイベントは北青山のカフェ・ラ・ボエムで行われ、多くの人と楽しく貴重な時間を過ごすことができました。
私は普段から、どうすれば虫歯や歯周病を予防し、正しいかみ合わせを維持することができるか?
義歯やインプラントを駆使して、なんでも食べれるかみ合わせを再建するにはどうすればよいか?
と、科学的な視点から『食べる』ことについてよく考えております。
でも、もしかすると一番大切なことは、周囲の人と楽しく食卓を囲むこと、そしてその食事の空間を豊かに過ごすための心の在り方なのかもしれませんね。
私も歯科医師として、皆様の豊かな食事を守る一助となれればなと思います。
セラミック歯をつくるラボ見学
2017年03月09日
まごころ歯科クリニック院長の荻原真です。
セラミック歯を専門的につくっているラボ、でんたる工房さんを見学してきました。
都庁のすぐ近くにあるこちらのラボでは、熟練の技工士さんが一つひとつの歯をこだわりをもって丁寧に作ってくださっております。
オールセラミック歯をはじめ、メタルボンドセラミック、インプラントの上部構造、セラミックラミネートべニア、インプラント用ガイドなど自費の技工物を中心に作っているとのことで、それぞれの技工に関して、とても丁寧に説明してくださいました。
近年、セラミックの技術は飛躍的に進歩しており、より丈夫で美しい歯が作れるようになってきております。
特にオールセラッミック材料の一種であるジルコニアとガラスセラッミックは、どんどん良くなっています。
ジルコニアは人工ダイヤモンドにも使われる素材で極めて頑丈なセラミックです。色合いの面で弱点がありましたが、最近では異なる色調のジルコニアを重ね合わせたマルチレイヤードジルコニアができたことにより、より美しく進化しております。
ガラスセラミックは透明感が非常に高く、しかも天然歯に近い硬さをもったセラミックです。
これらの素材は金属アレルギーのリスクもなく、生体親和性が高いため、安心して歯の材料として使うことが出来ます。
こうした素材を扱うには、セラッミックを加工するための高価な機器が必要なのはもちろんですが、熟練の技術と、最新の技術を積極的に学んでいく、歯科技工に対する熱い思いがなにより重要だと思います。
でんたる工房の技工士さんは、必要があれば、口の中の写真を撮りに駆けつけてくれたり、症例に応じて様々な相談に乗っておいただけたりと、とても真摯に対応して頂けます。でんたる工房の皆さんのように、真摯に歯科医療に取り組む方々と仕事ができて大変うれしいです。
まごころ歯科クリニックは高井戸・久我山での審美的なセラミック治療のために日々取り組んでおります。今後とも宜しくお願い致します。
NDLmint-seminar SRP実習セミナー参加
2017年03月05日
こんにちは。まごころ歯科クリニック 歯科衛生士の白井です。
先日NDLmint-seminar SRP実習シリーズクリニカルベーシック2日間コースの
セミナーに参加させていただきました。
SRPとはスケーリングルートプレーニングの略で歯周病の初期治療の一つです。
歯周病の治療を行う上で、治療成功のカギを握るSRPはとても重要です。
患者さんの治療成功につなげるために、この実習でたくさんのことを学びました!(^^)!
実習は少人数制で6名の受講者に対し1人のインストラクターの方がついてくださり密着指導をしてもらいました。
患者さんのお痛みがないように施術するためのポイント、術者にも負担が少ない施術中のポジション、SRPの基本操作や衛生士さん同士で施術や治療についても情報を共有することができ、有意義な2日間でした( *´艸`)
実際にセミナーの次の日からこのSRPをすることがあったので早速実践することが出来ました。
これからの治療につなげれるように日々精進していきたいです(*‘ω‘ *)
インプラントに対するフッ素の影響について
2017年03月04日
こんにちは。まごころ歯科クリニック院長の荻原です。今日も先日に引き続き、フッ素について書こうと思います。
フッ素に虫歯を予防する効果があることは多くの方の知るところです。
詳しくは『フッ素効果の実験』を参考にして下さい。
しかし、このフッ素が口の中のインプラントを腐食させる可能性があるという説があり、患者様からもこのことについて質問されることがあります。現在市販されている多くの歯磨き粉には1000ppm程度の低濃度のフッ素が配合されています。この1000 ppmの濃度のフッ素がインプラントの腐食を引き起こすとの研究結果があり、インプラント用の歯磨き粉として、フッ素無配合の歯磨き粉も売られております。
本当にフッ素はインプラントを腐食させるのでしょうか?
平成27年5月に日本口腔衛生学会フッ化物応用委員会は多くの研究を解析した結果として
『フッ化物配合歯磨剤の利用はチタン製歯科材料使用者(インプラント使用者)にも推奨すべきである』
との見解を示しています。インプラントが口の中にある方もフッ素入りの歯磨き粉を使って大丈夫との見解ですね。日本口腔衛生学会がだした見解には二つのポイントがあります。一つは、口の中には唾液があり、唾液の働きで歯磨き粉に含まれるフッ素はかなり薄まっている(200~300ppm)ため、インプラントを腐食させるリスクは非常に低いということです。もう一つのポイントは、フッ素には天然歯の虫歯を予防する確かな効果があるため、天然歯が多く残っている場合には、インプラントが腐食するリスクより虫歯を予防するメリットの方が大きいということです。
私も、多くの歯が残っている場合には、フッ素配合の歯磨き粉を積極的に使うべきだと思います。ただし、天然歯が少なく、インプラントが多い方の場合はフッ素無配合の歯磨き粉を使用すべきと思います。
インプラント用のフッ素無配合の歯磨き粉としてはジェルコートIP等があります。ジェルコートIPにはインプラント周囲炎を予防するための高い殺菌成分や歯肉を活性化する成分も配合されており、当院ではインプラントが多く入っている方におすすめいたしております。
また、歯科医院内でのフッ素塗布は9000ppmという高濃度のフッ素を用いるため、こちらはインプラントが入っている方には控えるべきと考えております。
日々新たな研究がなされ、昨日の常識は今日の非常識になっていきます。今後もインプラントとフッ素の関係に関する新たな研究に注目していく必要があります。
まごころ歯科クリニックは高井戸、久我山で質の高いインプラント治療と予防歯科を両立すべく、日々精進していきます。
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