まごころ歯科ブログ
プロビジョナルレストレーションのセミナーに参加
2017年06月06日
こんにちは
まごころ歯科クリニック院長の荻原真です。
先日、プロビジョナルレストレーションのセミナーに参加してきました。
プロビジョナルレストレーション(プロビ)とは、一言で言うならば仮歯のことです。
仮歯のことをテンポラリークラウン(テック)と言うこともあります。
では、プロビとテックはどう違うのでしょうか?
テックは歯の治療中、歯がないと不便だったり、かっこ悪いので、一時的にいれておく仮歯のイメージです。
プロビは最終的につくるクラウンの審美性・咬合状態をより精度の高いものにするためのレプリカといったイメージです。
ですのでプロビをつくるときは仮歯といっても高い精度と、咬合や審美に関する十分な考察が必要です。
美しい歯はなぜ美しく見えるのでしょうか?
白く透明感があるからでしょうか?
もちろん、色や透明感も重要ですが、それだけではありません。
美しい歯には、比率や、角度などに法則があり、その人固有の特徴と調和させつつ、それらの法則を当てはめていくことにより、審美的な歯を作ることができます。
プロビジョナルレストレーションを活用し、美しく、機能的な治療を心がけていきたいと考えております。
今回は高井基普先生の晴らしい講演を聞くことができ、大変有意義な時間を過ごすことができました。
ありがとうございました。
口腔ケアで肺炎予防
2017年06月03日
こんにちは
まごころ歯科クリニック院長の荻原真です。
今日は肺炎と口腔ケアの関連についてのお話しです。
皆さんは肺炎というと、どんなイメージをお持ちでしょうか?
それほど重い病気のイメージはないかもしれませんが、なんと肺炎は日本人の死因の第4位の病気です。肺炎は細菌やウィルスが肺に感染し炎症が起きる病気の総称であり、様々な種類があります。
肺炎の一種である誤嚥性肺炎は、嚥下機能の低下により、食べかすや唾液が飲み込むときに誤って気管に入ってしまうことによって生じます。高齢者がかかる肺炎の内、約70%が誤嚥に関連していると言われております。
口の中には虫歯菌や歯周病菌をはじめ、多くの種類の細菌が生息しています。食べかすや唾液とともに侵入したこれらの細菌は、肺の中で増殖し炎症を起こします。また、誤嚥性肺炎は再発を繰り返すことが多く、再発の度に細菌は強くなり、抗生物質が効きにくくなります。そのため、現在でも誤嚥性肺炎を治療をすることは難しく、高齢者の高い死亡原因の一つとなっているのです。
誤嚥性肺炎は、発熱、せき、痰など、通常の肺炎の症状を訴えない場合もあり、なんとなく元気がないというだけの症状のこともあります。食事中にむせやすかったり、食べかすの混ざったような痰がでるときには注意が必要です。
誤嚥を予防するには、食事の時に十分椅子を起こして食べることや、食後すぐ横にならないことが重要です。
同時に、口の中を清潔に保ち、誤嚥が起きても感染のリスクが上がらないようにすることがとても重要です。
誤嚥性肺炎を予防するため、日々の歯磨きはもちろんのこと、歯科医院で定期的に口腔内ケアを行い、お口の中を清潔に保つことをお勧めいたします。歯科医院では、歯ブラシでは落としにくい部分のプラークや歯石を、専門の道具を使ってきれいに落とすことができます。
健康の毎日を過ごすために、ぜひ、歯科医院での定期的なクリーニングを受けて頂ければと思います。
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『ロキソニン』と『ロキソニンS』はどう違うのか?
2017年05月28日
こんにちは。
まごころ歯科クリニック院長の荻原真です。
皆さんは『ロキソニン』という薬をご存知ですか?
歯医者さんで一番多く処方される薬は鎮痛薬ですが、『ロキソニン』はその代表格です。
皆さんも一度は服用されたことがあるのではないでしょうか?
最近では『ロキソニンS』という薬がドラッグストアで売られており、『ロキソニン』とどう違うのか、患者様に質問をいただくことがあります。
実はこの2つ、成分・成分量・錠剤の大きさも全く同じです。
一般に医療用の薬は効き目が強いですが、反面、副作用が出る危険性もあります。ただし、医療用としての実績があり、副作用が少なく比較的安全なことが確認されると、市販薬として販売されることがあります。これをスイッチOTC薬と言います。
『ロキソニンS』は2011年に『ロキソニン』のスイッチOTC薬として発売された薬であり、基本的にはほとんど同じ薬です。
ですが、注意しなくてはいけないのは成分が同じですが、市販薬である『ロキソニンS』は、短期服用・頓服使用が目的であり、『ロキソニン』とは用量用法が違います。
『ロキソニンS』はあくまで緊急時の疼痛に対する頓服薬として服用し、原因となる疾患がある場合には、早目に医療機関を受診してください。自己判断で『ロキソニンS』を服用し続けることは危険です。
それに対して『ロキソニン』は、治療上の必要性に応じて、様々な目的で処方されることがありますので、処方された先生の指示に従って服用して下さい。
歯科医院においては、『ロキソニン』は単に歯の痛みを取り除くためだけでなく、歯周病の手術やインプラント手術後の消炎目的(腫れを抑える目的)で服用して頂くこともあります。
病院や歯科医院で処方される『ロキソニン』と、ドラッグストアで購入できる『ロキソニンS』の違いについてお分かりいただけましたでしょうか。
薬は安全に服用することが重要です。処方された薬に関して疑問なことがあれば、なんでもご相談ください。
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実は大きいたばこと歯周病の関係
2017年05月23日
こんにちは
まごころ歯科クリニック院長の荻原真です。
『一日10本以上たばこを吸う人は、たばこを吸わない人に比べて数倍、歯周病になりやすい』という喫煙者の方にとっては耳の痛い研究報告があります。
実際、毎日の診療でもヘビースモーカーに歯周病の方が多いことを実感しております。
しかし、なぜ、たばこを吸う方は歯周病になりやすいのでしょうか?
今日は歯周病とたばこの関係について書いてみたいと思います。
タバコにはニコチン・タール・一酸化炭素をはじめ400種類以上の有害物質が含まれています。
タバコを吸うとニコチンの影響により血管は異常に収縮し、歯肉の隅々まできちんと栄養が行き渡らなくなってしまいます。
さらにタバコの煙に含まれる一酸化炭素により、歯肉組織は酸素が欠乏した状態になり、酸素を嫌う歯周病菌にとって居心地の良い環境になります。
また、たばこのヤニが歯にこびりつくと、歯がざらざらになるため、細菌が付着しやすくなってしまいます。
こうした結果、喫煙者は歯周病にかかりやすくなってしまうのです。
さらに、喫煙していると血管が収縮するため、歯周病になっても歯肉からの出血が少なく、発見が遅くなり重症化しやすい傾向にあります。
喫煙は歯周病の大きなリスクファクターの一つと言えます。
ただし、禁煙すれば、徐々に健康な歯肉の状態に戻ることも研究の結果明らかになっております。
このことからも、たばこは歯周病とは大きく関連していることが分かります。
歯周病を予防するためにも、また全身の健康を守るためにも、タバコは控えた方がいいようです。
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アレッサンドロ・ポッツィ先生のハンズオンコースに参加
2017年05月20日
こんにちは
まごころ歯科クリニック院長の荻原真です。
先日インプラントのガイドサージェリーのハンズオンコースに参加いたしました。
ガイドサージェリーとは、CTデータをもとにインプラント埋入位置をあらかじめ設計し、その設計に基づくテンプレートを作製して手術を行う手法のことです。テンプレートを用いてドリルを進めれば、フリーハンドより、安全で正確な手術を行うことが可能です。
今回のコースはデジタルソリューションを活用したインプラント治療の第一人者として、世界的に活躍されているアレッサンドロ・ポッツィ先生のコースでした。
ポッティ先生のお話は理論的で分かりやすく、大変勉強になりました。
いまやインプラント治療は手術だけでなく、上物の歯の設計もコンピューターによってあらかじめシュミレートされ、最適化した状態で行うことができる時代になってきております。
最先端のテクノロジーを駆使すれば、手術をする前に最良な歯の形をコンピューター上で設計し、その歯を入れるために最適な位置をCTの情報を用いてシュミレーションし、さらにサージカルガイドによってシュミレーション通りにインプラントを埋入することができるということです。
デジタル化に頼り過ぎることにはまだまだ問題点もあるとは思いますが、素晴らしい技術革新が起きていると思います。
今回はガイドを使ったインプラント手術の勘所や、インプラントの即時埋入・即時負荷の方法について、ポッティ先生から直接ご指導いただき、大変貴重な時間を過ごすことができました。