まごころ歯科ブログ
インプラント手術と虫歯の治療。痛いのはどっち?
2018年12月27日
こんにちは
まごころ歯科クリニックの荻原真です。
今日はインプラント手術の痛みについて、普通の虫歯治療(麻酔が必要な程度の虫歯)の痛みと比較して書いてみようと思います。
当院に来る患者様にも『インプラント手術は痛そうで・・』とおっしゃられる方が多くおられます。当然の心配だと思います。
まず、結論を書いてしまいますと、インプラント手術は虫歯治療と比較して、特に痛いものではありません。
勿論、麻酔が必要になりますので、麻酔を打つとき若干の痛みがありますが、これは通常の虫歯治療も一緒です。
そして、麻酔の注射も様々な工夫により、極力痛くなく打つことができます。
ここで問題になるのが、麻酔の効きやすさについてです。
皆さんも経験があると思いますが、普通の虫歯治療のときの麻酔を思い出してみて下さい。麻酔は歯そのものに打つのではなく、歯の近くの歯肉に打ちます。歯は非常に硬く直接針が刺さりませんので当然です。
歯肉から入った麻酔液は骨の中を浸透し、やがて歯の内部に作用することによって、痛みがでなくなるわけです。
歯の内部には歯髄という神経の豊富な組織があり、これが一般的に『歯の神経』といわれるものです。この歯髄に麻酔を効かせる必要があるのです。骨にも神経はありますが、歯髄のように豊富に神経が通っているわけではありません。
骨はミクロな視点でみると、穴だらけであり、とても『粗』な組織です。スカスカということです。スカスカですので比較的早く麻酔が浸透していきます。
それに対して、歯は非常に硬く、『密』な組織です。ぎっしりつまっていて、麻酔液が容易に中に浸透するような構造ではありません。ですが、歯の根の先端部にのみ、神経の通り道(根尖孔)があるため、この周囲まで麻酔液が浸透すれば、ようやく歯の内部に麻酔が効きます。
つまり、歯の内部に麻酔を効かせるには、歯の根の周囲の深さまで麻酔を浸透させ、神経豊富な歯髄まで届かせなくてはならないのです。
単に骨の中だけに麻酔を効かせる方が簡単なわけです。
ですので、骨の麻酔を効かせるだけでいいインプラントの手術において、手術中に痛みがでることはほとんどありません。
もっとも、別の場所から骨を採取したり、複雑なインプラント手術を長時間行う場合は、途中で麻酔の効果が切れてくる可能性もありますので、絶対痛くないというわけではありません。そのような場合は途中で麻酔を追加しなければならないこともあるでしょう。また、そうした場合には、静脈内鎮静法を併用することも有効でしょう。
いずれにしても、インプラント手術は虫歯治療や、歯の神経を取り除く治療と比較して、特に痛い処置というわけではないのです。
術後、麻酔が切れてくると痛みがでることはありますが、こちらも痛み止めをお飲みいただければ大丈夫です。
ただし、術後の痛みに関しても、複雑なインプラント手術や増骨手術を行った場合は、シンプルなインプラント手術に比べ、痛みや腫れが出やすいことがあります。
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偶然の発見から発展したインプラント治療
2018年12月24日
こんにちは。まごころ歯科クリニックの荻原真です。
今日はインプラントが骨と付く理由と、その原理の偶然の発見について書いてみようと思います。
皆さんの中には、インプラントは骨に埋め込まれた単なるネジだと思っている方はいらっしゃいませんか?
実際、ネジといえば、ネジなのですが、
インプラントは単に骨の中にネジの力で固定されているわけではありません。
もしインプラントが単にネジの力で固定されているだけならば、インプラントに逆回転の力を加えれば簡単に緩んでしまうはずです。しかし、治療を完了したインプラントの歯に逆回転の力を加えてもびくともしません。硬いものをバリバリ食べても緩むことはありません。
なぜでしょうか?
実は骨とインプラントを構成するチタンは、あたかも一体化しているかのように化学的に結合しているのです。この現象は『オステオインテグレーション(オッセオインテグレーション)』といわれ、現代インプラント治療の根底を支える現象です。
オステオインテグレーションの発見によりインプラント治療は飛躍的に発展しました。
このオステオインテグレーションという現象は、実は偶然発見されたものです。
1952年、スウェーデンの科学者であるブローネマルク博士はウサギの骨にチタン製の実験器具を使って実験をしていました。その際、実験器具がウサギの骨から剥がれなくなってしまったことから、偶然、骨とチタンが化学的に結合することを発見したのです。
ブローネマルク博士はその後も、オステオインテグレーションの研究を続け、1965年、インプラントを臨床応用することに成功しました。
その後、インプラントはその形や、細かな表面性状に改良が続けられていますが、基本的にはこのオステオインテグレーションをいかに早く、そして確実に得るか、さらに維持し続けるか、を研究し続けているのです。
得てして、人類史上に残る偉大な発見は、偶然の産物なのかもしれません。
そして、科学に真摯に向き合っている偉大な人物だけが、その偶然を見過ごさず、形あるものにすることができるのかもしれませんね。
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オフィスホワイトニング院内勉強会
2018年12月10日
こんにちは。まごころ歯科クリニックを荻原真です。
『白くて美しい歯』を実現するための一つの方法として、ホワイトニングが有効です。
ホワイトニングは雪のように真っ白な歯にすることはできませんが、歯を削らずに、自然な美しさを得ることができます。
より良いホワイトニングを行っていくために、今回、メーカーの方にも講師としてご協力いただき、院内でホワイトニングの相互実習をいたしました。
勉強会で使用したのはオパールエッセンスブーストというホワイトニング剤です。
オパールエッセンスブーストはアメリカではとてもポピュラーなホワイトニング剤で、最近、日本でも徐々に浸透してきているものです。歯の色調を明るくする成分として35%過酸化水素が配合されており、1時間程度の短時間で効果を得ることが可能です。
オフィスホワイトニングには知覚過敏が発生しやすいという欠点があるのですが、このホワイトニング剤には20%以上の水分がふくまれているため、従来のオフィスホワイトイング剤に比べて知覚過敏症状が出にくいメリットがあります。
また、知覚過敏を防ぐために施術前に知覚過敏抑制剤を併せて使用することで、より快適なホワイトニングを行うことができます。
今回、メーカーの方に詳しく解説いただき、ホワイトニングの化学的な作用機序から改めて確認することができました。
まごころ歯科は美しく健康的な歯を守るため、これからも日々取り組んでまいります。
新百合ヶ丘火曜会特別例会に参加
2018年12月09日
こんちには
まごころ歯科クリニック院長の荻原真です。
先日、新百合ヶ丘火曜会の特別例会に参加させていただき、辺見浩一先生の感染根管処置についての貴重なご講演を聞かせていただきました。
感染根管処置とは、歯の根の先に炎症が起きてしまったときに行う治療のことです。
残念なことですが日本は先進国の中で、根の治療の質が低く、そのために歯の根の先に炎症が起きる病気を抱えている方が多いと言われております。歯の根の治療は建築物を建てる時の地盤工事のようなもので、地味な部分ですが非常に重要なものです。
いくら立派なセラミッククラウンを入れたとしても、歯の根の治療の質が悪くては、歯を長く持たせることはできません。
根の中の感染をいかにコントロールし、かつ、いかに歯質を保存するのか、とても多くのことを学んだ一日でした。
辺見先生の知識の深さ、そして論理的でわかりやすい説明に感動いたしました。
新百合ヶ丘火曜会の先生方、辺見先生、ありがとうございます。
高濃度フッ素ハミガキ、ぞくぞく登場!
2018年12月05日
こんにちは
まごころ歯科クリニック院長の荻原真です。
今日は高濃度フッ素配合の歯磨き粉についてお話したいと思います。
フッ素の虫歯予防効果は古くから知られており、日本で市販される大半の歯磨き粉にも配合されています。
しかし、これまで日本で販売される歯磨き粉のフッ素の濃度は、国際的な標準濃度に比べると低いものでした。
国際基準(ISO)では上限濃度を1500ppmと定めていますが、日本では薬事法により、上限濃度1000ppmという規定になっていたのです。
昨今の予防歯科医療に対する関心の高まりから、2017年に日本でもようやく国際基準が採用されることになりました。最近では1450ppmの濃度のフッ素を配合した歯磨き粉が次々と発売されてきております。
これまでのフッ素入り歯磨き粉に比べて約1.5倍の濃度が配合されているため、高い虫歯予防効果が期待できます。
これらの歯磨き粉に含まれるフッ素の効果をより効果的にするためには、歯磨きの時に3つのポイントを意識していただくと良いと思います。
高濃度フッ素配合歯磨剤使用時の3つのポイント
①歯ブラシに歯磨き粉を2㎝程付ける。(多めのイメージ)
②歯磨き後のうがいは少な目の水で1回のみとする。
➂歯磨き後の飲食は1~2時間は避ける。
以上の3つです。要するに歯の表面にしっかりとフッ素が残っている状態を歯磨きを終えることが大切です。以前は歯磨き粉は歯磨きにおける補助的な位置付けであり、研磨剤が多量に含まれていたことからも、少ない量の方が良いと言われておりました。しかし、フッ素が虫歯予防の主役として台頭し、低研磨性の歯磨き粉が増えてきた現在、歯磨き粉はむしろ多めに付ける方が効果的です。
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