まごころ歯科ブログ
偶然の発見から発展したインプラント治療
2018年12月24日
こんにちは。まごころ歯科クリニックの荻原真です。
今日はインプラントが骨と付く理由と、その原理の偶然の発見について書いてみようと思います。
皆さんの中には、インプラントは骨に埋め込まれた単なるネジだと思っている方はいらっしゃいませんか?
実際、ネジといえば、ネジなのですが、
インプラントは単に骨の中にネジの力で固定されているわけではありません。
もしインプラントが単にネジの力で固定されているだけならば、インプラントに逆回転の力を加えれば簡単に緩んでしまうはずです。しかし、治療を完了したインプラントの歯に逆回転の力を加えてもびくともしません。硬いものをバリバリ食べても緩むことはありません。
なぜでしょうか?
実は骨とインプラントを構成するチタンは、あたかも一体化しているかのように化学的に結合しているのです。この現象は『オステオインテグレーション(オッセオインテグレーション)』といわれ、現代インプラント治療の根底を支える現象です。
オステオインテグレーションの発見によりインプラント治療は飛躍的に発展しました。
このオステオインテグレーションという現象は、実は偶然発見されたものです。
1952年、スウェーデンの科学者であるブローネマルク博士はウサギの骨にチタン製の実験器具を使って実験をしていました。その際、実験器具がウサギの骨から剥がれなくなってしまったことから、偶然、骨とチタンが化学的に結合することを発見したのです。
ブローネマルク博士はその後も、オステオインテグレーションの研究を続け、1965年、インプラントを臨床応用することに成功しました。
その後、インプラントはその形や、細かな表面性状に改良が続けられていますが、基本的にはこのオステオインテグレーションをいかに早く、そして確実に得るか、さらに維持し続けるか、を研究し続けているのです。
得てして、人類史上に残る偉大な発見は、偶然の産物なのかもしれません。
そして、科学に真摯に向き合っている偉大な人物だけが、その偶然を見過ごさず、形あるものにすることができるのかもしれませんね。
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